メタバースを学校の代替品にする事はできるのか?


現実のような会議を仮想空間で行っている人たちが世の中には数多く存在しています。
私もその中の一人で、夜な夜な「Cluster」というメタバースプラットフォーム上で、自作した3Dモデルを使いボイスチャットを楽しんでいます。

ある日、いつものように会話を楽しんでいると「メタバースは学校に通う事に取って代わるのか?」という話題が出てきました。

実際に私たちは毎日のように仮想空間に顔を出し会話を楽しんでいます。大学ではオンライン授業として導入(?)している所もありますし、取って代わる可能性もあるのではないか?と私は思いました。

学校でいじめを受けていたとしても、専用の部屋を用意してあげれば、他の子どもたちと同じ速度で同じ内容の授業を受けることができます。
身体的特徴に悩む事も無くなりますし、無駄な通学時間も削減する事もできます。
学校という大きな施設も必要無くなり東京の高くて狭い部屋でも授業が行えるようになるので教職に就いている人たちにとってもメリットはとても大きいように思えます。

ですが、仮想空間でできた友人たちと議論を進めていくにつれてデメリットも噴出してきました。
まずはじめにデメリットとして挙がってきたものが“体育の授業がない事で身体の健やかな成長に害を及ぼす可能性がある”という事です。

私は現在25歳なのですが、学生を終えてから運動をする機会が明らかに減ってしまい、筋肉と体力が減ったなととても思います。ラジオ体操をしてみても30秒動けば息が上がるほどです。
いかに学生時代の体育の授業が重要だったかを感じます。

次のデメリットは“サイバー犯罪に巻き込まれる可能性が高くなる”です。

メタバースを学校の代替品にするという事は、学生たちが各々ログインIDとパスワードを管理し、指定のアプリやURLにアクセスするという事ですよね?
不正アクセスや個人情報の漏洩、偽のURLを仕込まれるなど、サイバー犯罪に巻き込まれるリスクが大きく上昇する事は想像に難くありません。
今後メタバースとNFT、暗号通貨は今よりも密接に関わってくるのでそれらを使った詐欺に巻き込まれる恐れもあります。

以上のメリットデメリットを考慮した結果、私たちのボイスチャットの終着点は“メタバースは学校に通う事に取って代わる事はない”でした。

メタバースを利用した教育に大きな利点がある事は確かですが取って代われる程デメリットを抑制する方法が今の世界には存在しないというのが大きな理由です。

不登校児や病気がちで学校へ通う事が難しい子供たちを相手に、保護者管理の元、メタバース上で授業を受けるという事までが現実的なラインなのではないかと思います。